ヘアケアのトレンド：髪の補修の高まり
健康に対する意識が高まるにつれ、髪のダメージを補強・修復し、保護レベルを向上させつつ見た目も手触りも健康的な髪に仕上げる製品への需要が加速しています。このブログでは、傷んだ髪のための補修ヘアケアソリューションへの関心の高まりとともに、ソーシャルメディア、消費者の日常生活や需要の変化など、このトレンドを後押しする要素を探ってみましょう。また、Croda Beautyのいくつかの製品を紹介し、処方のヒントを提供します。
枝毛、もつれ、縮れ毛、切れ毛、抜け毛、くすんで荒れた髪。これらは誰もが経験したことのある髪のダメージの特徴的なサインです。スタイリングツールの使用や、カラーリングのお試し、天候の変化など、どれをとっても、髪は活力を失い、扱いにくくなり、それ以上に重大なのは、不健康そうに感じられます。
幸いにも、消費者の選択肢はかつてないほど増えています。各ブランドのポートフォリオには、毛髪内部の結合の強化やダメージを修復する製品がどんどん加わっています。EMEAでは、2022年に発売されたヘア製品の 26.9% にダメージ ヘアに関するクレームが含まれており、2019年から8.6％増加しています。
ヘアケアにおいて修復が注目される背景にはどのようなトレンド要因があるのでしょうか？
- 世間の注目－TikTokのようなチャネルを通じて、新しい修復技術はあっという間に知れ渡ります。
- 髪のダメージと健康－髪が健康であることと、それが髪の美しさと手触りにどのような影響を与えるかが大きな注目を集めます。
- ルーチンの変化－ヘアケアがスキンケアのように細かく丁寧に行われるようになり（skinification）、ヘアの手入れはより複雑で多様になっている。
- 自宅で使えるサロン級ソリューション－消費者は、サロングレードの仕上がりだけでなく、簡便さ、使いやすさ、コスト面の手ごろ感を兼ね備えた製品を求めています。
- 情報に通じた消費者－消費者は自分が使う製品に自信を持ちたいと考えています。明確な宣伝文句と、効果の高い成分を含む製品を求めています。
これらについて、もう少し詳しく見てみましょう。
世間の注目
デジタル、オンライン、デバイス／アプリの発達によって、人々が製品を発見し、情報交換し、購入する方法が変化しました。美容やパーソナルケアも例外ではありません。消費者は学習意欲が旺盛で、おすすめの製品、使い方のコツ、評価について、ますますデジタルチャンネルに頼るようになっています。
ソーシャルメディアは、ブランドがこのような啓発を促進し、最新のイノベーションを広めるための素晴らしいプラットフォームと言えるでしょう。例えば、ヘアケアブランドのK18は、ソーシャルメディア、特にTikTokの力によって、ペプチドを配合したリーブイン・ヘアトリートメントの認知度を急速に高めました。数字はまだ伸びていますが、ケーススタディによると、このブランドの動画再生回数は2700万回に上り、フォロワーは2万人以上増え、#K18ヘアで7300万回の動画再生回数を記録しました。
これらのハッシュタグや、220億以上の動画が含まれる#hairtokのようなメガトレンドのハッシュタグを通じて、消費者はあらゆるヘアケアコンテンツに即座に、簡単にアクセスでき、購入やヘアルーチンに影響を受けています。
髪のダメージと髪の健康
私たちは、日常生活や消費者の習慣が、櫛による機械的ダメージ、縮毛矯正による熱的ダメージ、染毛剤による化学的ダメージ、UVによる環境的ダメージなど、さまざまな種類のダメージを髪に及ぼしていることを知っています。
髪がダメージを受けると、髪の内部構造であるポリペプチド鎖（ケラチン鎖）が弱くなり、切れてしまいます。このようなダメージを受けると、髪の中心構造が損なわれ、その結果、髪の強度、弾力性、ハリ、ツヤが失われます。
健康な髪への願望の高まりと、それに伴うヘアケア習慣の拡充も、ヘアケア分野における科学的イノベーションの原動力となっています。WGSNは、2024年に向けて先駆的な生物模倣テクノロジーが道を切り開くと予測しています。
ヘアルーチンの変化
パンデミック以前、ヘアケアルーチンの多くはスポーツや社交といった日常的な活動に大きく影響されていました。現在、消費者は髪の健康、セルフケア、特定の悩みの解決など、他の側面を考慮するようになってきています。実際、消費者の78％は、ロックダウン以来、美容ルーチンをアップグレードしています。
ヘアケアの「スキンケア化」はこれに大きな影響を与えており、この市場はスキンケアからインスピレーションを得ています。ヘアケアの技術革新と製品には、試行錯誤を重ねたスキンケア成分が活かされ、これによって個々のニーズに対応するとともに、ダメージヘアなど特定の問題や部位をターゲットにしています。オーバーナイトリペアのような、仕上がりとセルフケアを組み合わせるルーチンは、ブランドにとって大きなチャンスです。
頭皮はルーチンの中で重要な焦点のひとつであり、健康的で見た目も美しい髪を実現するには頭皮のケアが大切だととらえられています。髪全体の健康には、髪の成長を力強く促し、抜け毛や機能的な問題を最小限に抑える健康な頭皮が大切だと理解しているのです。実際、Euromonitorによると、今では消費者の23％が健康な頭皮を求めています。すでに各ブランドがこの領域に進出しており、EMEAでは、頭皮ケアを謳った製品の発売数が41％増加しています。
マルチステップのルーチンやウェルネスを取り入れることも、変化の一環です。マルチステップのルーチンは、見た目を良くしたいという願望から生まれたものですが、その後、消費者がリラックスしてくつろげるものが出てきました。そのため、ウェルネス関連のメッセージをパッケージに記載する商品も増えています。EMEA全域で、美容製品やグルーミング製品の購入を決める際、消費者が最も影響を受けるのが、製品が健康やウェルビーイングに及ぼす影響で、ヨーロッパでは67％、MEAでは68％がそのように回答しています。
自宅で使えるサロン級ソリューション
自宅でのヘアケアルーチンは、サロンでのサービスに取って代わることはないものの、便利さ、使いやすさ、コストの節約を考慮しつつ、サロン級の結果をもたらす製品が求められています。
世界的パンデミックによって、消費者はスタイリングよりも髪の健康と強さを重視するようになり、今では常に後者を優先するようになりました。ヘアトリートメント、マスク、セラム／オイルなどのタイプは、英国の女性の間で愛用者が増加しました。ヘアマスクのような製品は、単なるセルフケアや贅沢な楽しみから、特定の悩みを解決するための製品へと移行しつつあります。科学に裏付けられた、包摂的な製剤設計が鍵となります。
髪の手入れと修復に使うことで見栄えや手触りの向上に役立つ、このような自宅向け製品への信頼が深まっています。
情報に通じた消費者
Covid-19のパンデミックもあって、透明性に重きを置く気運が高まりました。消費者は製品の成分に注目し、機能的で結果指向の製品をより重視するようになっています。自分が使用している製品に自信を持ちたいと考えており、効果と成分を関連付けてとらえています。ですので、60％の女性が美容製品のラベルを読んでから購入しているのも驚くことではありません。
The Ordinaryのようなブランドは、成分をはっきりと示し、それを商品名に含めることで成功を収めています。しかし、すべての消費者が各成分の働きを熟知しているとは限らないことを忘れてはなりません。また、事実に基づいた情報が提供されるよう注意する必要もあります。ブランドは、広告内容を証明し、成分や技術に対する認識を高めることによって、消費者の信頼を築く必要があります。特に、成分の立証や製品の広告に対する消費者の検討・分析は厳しさを増しています。
先に述べたように、TikTokのようなデジタルやソーシャルプラットフォームは、製品が何を含み、どんな効果があるのかを消費者が理解しやすい形で提供する絶好の方法です。これらのプラットフォームは、消費者の共感を呼ぶアクセスしやすい形式で製品の認知と理解を高めるのに役立ちます。
まとめ
髪の健康と、それが髪の美しさにどう影響するかに注目が集まっているため、消費者は修復効果のあるヘアケアへの関心を高めています。この上昇トレンドは、K-18や結合強化トリートメントなどの新しい修復技術から得た認識と関心に支えられています。
消費者は、ヘアルーチンの幅を広げ、便利さ、使いやすさ、コスト面を考慮する一方で、サロンのように仕上がる製品を探しています。彼らは自分が使っている製品に自信を持ちたいと考えており、はっきりした宣伝文句と、効果の高い成分を求めています。
このような消費者トレンドに対応するため、Croda Beautyでは、効果的な修復、抜け毛予防、キューティクルスムージングなどのメリットを提供する製品を幅広く提案しています。また、御社の次なるプロジェクトのインスピレーションとなるべく、幅広い処方ガイドもご用意しています。下記の例をご覧いただくか、詳細についてはこちらからお問い合わせください。
